PRO-Machinist 
〜高精度加工への挑戦〜

希少価値の高い精密加工技術を保有する企業として、
業界をリードするために。

近年の自動車産業では、HV・EV・FCVなどの環境対応車が主流となり、その流れはさらに加速しています。そうした最先端自動車を製造するため、高精度な生産設備のニーズが高まっており、新明工業においても±0.02mmレベルの高精度加工を安定的に実現できる機械加工の専門家「プロマシニスト」育成の取り組みを始めています。今回は、育成プログラムの中心人物である3名にお話を聞きました。

環境ユニット事業部 生産管理部 部長/青山誠司

環境ユニット事業部 生産管理部
部長/青山誠司

プロマシニスト講座事務局を務め、教育の統括・管理を行う。

環境ユニット事業部 生産管理部 テクニカルアドバイザー/中島宏

環境ユニット事業部 生産管理部
テクニカルアドバイザー/中島宏

トヨタ自動車より転籍。
トヨタ自動車で実施していた育成の仕組みを新明工業に取り入れる。

環境ユニット事業部 生産管理部 機械課 加工G グループリーダー/佐藤信彰

環境ユニット事業部 生産管理部
機械課 加工G
グループリーダー/佐藤信彰

プロマシニスト講座、受講生リーダーとして
現場の取りまとめを行う。

裾野が広い「機械加工」という技術分野。

裾野が広い「機械加工」という技術分野。
青山

ひとくちに「機械加工」と言っても、その裾野は非常に広いです。新明工業においても、コンベアなどの搬送設備に必要な製缶や穴あけなど比較的難易度の低い機械加工から、HV・EV・FCVなど環境対応車の生産設備向けの高精度な機械加工まで、非常に幅広い技術レベルのモノづくりを行っています。

そうした中で近年、±0.02mmレベルの精度を求められる高精度加工技術の必要性が高まっています。そのため、社内でも未だ少数の人員・設備でしか実現できていない高精度加工技術を、すべてのエンジニアで実現可能なスタンダード技術とし、付加価値の高い製品を生み出し続けられる技術企業となることを目指して、「プロマシニスト」育成の取り組みをスタートさせました。

プロマシニスト育成の現場。

プロマシニスト育成の現場。
中島

育成にあたり、まず全員の作業者が「自分の知識・技能レベルを知る」ことをスタートラインとしました。その背景として、モノをつくる過程ではさまざまなトラブルがあり、その結果として不良品も出ます。ここで重要なのは、不良品が出た原因を徹底的に究明することですが、残念ながら根本の原因究明にまで至っていないケースが散見されます。生産に追われて根本までの原因究明する余裕がないのは判りますが、その場しのぎの不良対策では同じような不良を繰り返すだけです。加工トラブルを無くし、NC機を上手く活用するには多くの知識・経験と高い技能が必要となります。その為にも一人ひとりの作業者が、自分の知識・技能水準がどのレベルにあるかを知り、何が足りないかを自覚するする必要があります。

そのため、ベテラン・若手問わず全員一律で「C級」レベルから教育をスタートしています。ベテランは、分かっていたつもりで見落としていた点を再確認する。若手は自らの知識・技能レベルがどこにあるかを知る。全員の考え方のベースを揃えることで、全体の知識・技能レベルの底上げを狙っています。

C級ではまず、図面の読み方、測定の仕方、材料の知識、刃物の知識、機械の知識、メンテナンスの知識。治具の設計・製造、機械を動かすプログラムの作り方などの基礎メニューから始めます。その後、B級・A級・S 級へと全員が一律で同じ階段を上っていく計画です。

人と設備が両立していないと、加工精度は出せない。

人と設備が両立していないと、加工精度は出せない。
佐藤

現在、目標としている加工精度を具体的な数値で言うと、±0.02mm以内の精度を全員が実現できるレベルを目指しています。今までは0.1~0.2mm内の誤差での加工が仕事の多くを占めていたので、簡単ではないでしょう。そのため、まずは±0.05mmレベルを目標に徐々に底上げを図っている段階です。ただ、恒温室など一部の設備・人員ではすでに±0.02mm以内の精度を実現していますので、不可能ではないはずです。

中島

大切なのは、プロマシニストの育成と同時並行で環境と設備を整備していくことです。精度が出ない設備でいくら頑張っても精度の保証はできません。まずは、環境と設備を整え、その上で、加工の誤差を技術や知識で低減していきます。

青山

人と設備が両立していないと、目標の数値は出せない。プロマシニスト講座で人をつくり、刃具を保管・管理・セッティングするツーリングルームを完備し、3次元測定機などの測定機も充実させていきます。

プロマシニストは未来の重要なピース

プロマシニストは未来の重要なピース
中島

私は元々トヨタ自動車に所属していた人間ですが、トヨタにおいても過去には、現在の新明工業と似たような状況がありました。個々の技術者の力量によって加工精度にバラツキがあり、全体のベースが揃わないのです。その現状をなんとかしようと、育成環境を整え、設備などの環境を整え、長い時間をかけて進化しました。同じことが、新明工業でも可能なはずです。C級から始め、S級を目指すステップは、トヨタ自動車が実践している教育システムと同一のものです。各ステップで基準になる知識レベルもトヨタ標準に準じています。ゆくゆくは、S級レベルに育った人材が新明工業のモノづくりの工程全体をコントロールし、後進の育成にもあたっていく。そうした体制が実現できて初めて、プロマシニスト育成の成果を出せたと言えます。この先は、自動車業界はもちろん、あらゆるモノづくりの世界で高精度加工による付加価値の高い製品を提供できる企業が求められていきます。プロマシニストは、そうした未来に向けての、新明工業の重要なピースになるはずです。

プロマシニスト講座|C級 主なプログラム(抜粋)

NCプログラムの基礎知識加工の知識
潤滑機械工作
刃具の種類と知識金属材料の知識
測定の知識図面の見方 他